寄食という生き方

——埒外の政治‐経済の人類学力

コロナ禍元年より継続してきたみんぱく共同研究プロジェクトの成果として刊行された本書では、人類学者、歴史家、生態学者とともに、人間と人間以外の生き物が互いに食い合い、結びつき合う中に潜む政治性について考察しています。私が担当した第17章「地球への薬効――薬用植物から考える公共空間の生態学」では、ハノイ市内の薬草園を舞台に、医薬品に汚染された土壌の改良から始まる薬草栽培の実践を紹介し、病と健康をめぐる再生の可能性を探っています。

http://www.showado-kyoto.jp/book/b656843.html

編者:内藤直樹・森明子

2025年3月31日発売
A5判・412頁
定価:本体5,720円+税
ISBN 9784812224168

従来の政治や経済の論理をはみ出た存在、寄食者を断罪するのではなく彼らの論理や実践に目を向け様々な価値観に開かれた理解を目指す。

「人新世」時代の文化人類学の挑戦

——よみがえる対話の力

いつもとはちょっと違う取り組みです。放送大学の授業のために用意した教材を対談形式で学術書に変身しました。プラネタリーヘルスと多種共生民俗誌の二つの章を担当してきました。ご関心のある方、お目を通しくださいね。

http://www.ibunsha.co.jp/books/978-4753103812/

編者:大村敬一

2023年12月25日発売
A5判 並製カバー装 464頁
定価:本体4,800円+税
ISBN 978-4-7531-0381-2

近代化の網の目からこぼれ落ちる、過剰なる他者たちの営みから、いかに人類の想像力の可能性を見出すか──。 総勢12名の人類学者が対話・インタビュー形式で「人新世」時代を語る、最新の研究動向に迫る論集。